人類の進化段階を人為に四つに分けた場合の3番目の區分に屬する人類。
かつて,古代型ホモarchaic Homo,あるいは古代型新人archaic humansとも呼ばれたが,その呼稱は今ではほとんど使われない。
アフリカとユーラシアの帯から亜寒帯にまで分佈した60萬~3萬年前のヒト屬の総稱で,ホモ・ハイデルベルゲンシスHomo heidelbergensisとホモ・ネアンデルタレンシスHomo neanderthalensis(ネアンデルタール人)を含む。
原人とべると,咀嚼筋や顎関節の発達はい。


頭はいが,脳容積の増加により丸みを帯びている。
眼窩上隆起や後頭隆起はまだ発達するが,きさには著しい変異がある。
人は,顔面はきいが,歯列の突出はく,新人ときくは違わない印象を與える。
鼻骨はかなり隆起するので,外鼻の狀態は現代人と様であったと思われる。
人の中では,ホモ・ネアンデルタレンシスは鼻骨が極めてく隆起するので,な鼻をもっていたと推定される。
原人とべると,咀嚼筋や顎関節の発達はい。
しかし,身體の骨はく頑丈である。
身長はアフリカと西アジアとヨーロッパの一部では180cmを超えるほどだが,ヨーロッパの大部分やアジアの北部では160cmほどと,変異がある。
言葉をしゃべったかどうかは,議論がある。
ホモ・ネアンデルタレンシスは頭蓋底が長くなので,喉頭が下降しておらず,しゃべれなかったという説が流佈したが,現在では疑問視されている。
脳容積は充分にきいので,喉頭が下降していれば,しゃべれた可能性がい。
石器は,初めはアシュール型のハンド・アックスだが,後にはムスティエ型など用途別に分かれた多様な薄片石器を使った。
かつては,アフリカとユーラシア陸広範にわたって原人から人をへて新人が生じたとする説が有力であり,アフリカのローデシア人やジャワのソロ人なども人段階のものとされていた。


延伸閱讀…
人類進化の段階のうち原人と新人との中間の段階をさす。
時代はおよそ20萬年前から3萬5000年前まで。
脳容積は現代人に匹敵する1500cc前後だが,眼窩(がんか)上隆起が発達し,脳頭蓋がく,下顎に頤(おとがい)が形成されていないなど,部分に原人にた形態をもつ。
ヨーロッパのネアンデルタール人やラシャペルオサン人,アフリカのカブウェ人やンガロバ人,西アジアのシャニダール人やアムッド人,中國の茘(だいれい)人や馬(ばは)人,インドネシアのソロ人などがこれに屬する。
鋭い刃をもつ剝片(はくへん)石器をつくり,死者の埋葬も行っていたが,壁畫や裝身具は殘していない。
ネアンデルタール人とそれと同等の進化段階にあるとされる化石人類の名稱。
かつては,アフリカとユーラシア陸広範にわたって原人から人をへて新人が生じたとする説が有力であり,アフリカのローデシア人やジャワのソロ人なども人段階のものとされていた。
延伸閱讀…
近年ではヨーロッパ以外のこうした化石人類とネアンデルタール人とは系統も形態も異なることが認識され,おのおのを個別に扱うことが多い。
…更新世およびそれ以前の化石骨によって知られる人類,すなわち猿人,原人,人,新人の総稱。
化石人類として最初に認められたのは,ドイツのデュッセルドルフにいネアンデル谷の石灰岩洞窟で1856年に発見されたネアンデルタール人である。
……初期の人類は身長120cm前後と體がさく,武器もで,狩猟の獲物は小型の動物にかぎられていたが,のちには體も大型化し,ゾウ,スイギュウ,サイ,カバなどの大型獣を倒すほどに,狩猟技術も進歩していった。
およそ10萬年前降の中期舊石器時代になると,人類は人(ホモ・サピエンス・ネアンデルターレンシス)段階に進化し,生活技術はさらにした。
生活圏はな高緯度地域にまで拡し,石器製作の技術も進歩して用途に応じた多種類の道具が作られるようになった。
…宗教家や學生などによる社會の下層に屬する人々に対する社會事業の一つ。
主として宗教,教育立場からなされるものが多い。
その事業內容はさまざまであるが,に,保育,學習,クラブ,授産,醫療,各種相談な…